「ドロップゴール」を知れば、ラグビー通に一歩近づける。
「ラグビーのオモロイ観方」第6回
■ボールを持った選手を孤立させてはダメ
福田 ふんふん。試合を観るときは、攻撃側はディフェンスを縮めようとしているのか、広げようとしているのか。3つの手をどれを使うか、ということに注目してみよう!
大西 最初はなかなか難しいかもしれませんが、徐々にわかってくるはずですよ。あと大前提として攻撃側が気を使っているのは、「ボールをキープしつつ前進する」の「キープ」の部分。
福田 スペースを空けようと思っても、その前にボールを奪われてしまえば、身も蓋もないですよね。
大西 そのためにボールを持っている選手を孤立させないでしっかりサポートして攻撃するんです。たとえば、ボールを持っている選手が相手のタックルで倒された場合、周りに味方が少なかったら、そのまま奪われてしまいますからね。
福田 やっぱりラグビーは、どんなスポーツよりもチームワーク、チームプレーが大事なんですねぇ。ちなみにキックはどう考えればいいですか?
大西 確かにキックはいったんボール「キープ」を放棄してしまう形にはなります。ただ、日本代表の戦術でもあるのですが、「再獲得を目指すキック」というのもあります。これも覚えていただければ嬉しいですね。
※1 ちなみに「トライ」の語源は「Try at goal」。「ゴールキックへの挑戦権が得られますよ」という意味。原始のラグビーでは、グラウンディングしただけでは得点にならなかったという。
※2「認定トライ」ともいう。「守備側の反則がなければ得点だっただろう」というシチュエーションで認められる。キックはなしで自動的に7点が加えられる。ゴール前でディフェンスの反則が続いた場合に起こりやすい。
※3 代表的な例は2003年のW杯決勝。オーストラリア対イングランドは延長戦に突入する死闘に。最後イングランドのスタンドオフ・ジョニーウィルキンソンが劇的なドロップゴールを決めてサヨナラ勝ち。
(第7回につづく)